私、轟辰寛は福岡県で生を受けました。身体が弱く、喘息の発作を起こす度に通院を繰り返していました。明るく陽気な兄の後を追い、優しい祖母にべったりな甘ったれの幼少時代でした。一人遊びが好きで、絵を描いで過ごすことが多かったように思います。美しい海の世界に憧れがあり、飽きずにいつもいつも描いていました。一方で、正義の味方に対する憧れも持っており、よく特撮ヒーローのごっこ遊びをこっそりとやっていました。(家族にはバレバレでしたが。)

その後思春期に入り、セクシャリティの問題に直面しました。

二次成長期を迎えた頃、男性化する肉体に違和感を覚え始めました。自分の肉体に嫌悪感、罪悪感を感じるようになりました。誰にも悩みを打ち明けることが出来ず、自分が異常なのだという思い込みから、自己肯定感や安心感を得られないままに思春期を過ごしていました。嫌われることを恐れ、大人しい子どもの仮面をつけ、自分を誤魔化して生きる術を覚えていきました。

本当の自分に向き合う勇気が持てず、本来持っている豊かな感情表現や葛藤から逃避して生きる選択を繰り返していました。

そんな中で私の心の支えとなったのは、アニメや映画、テレビゲ-ムなどの空想の世界でした。私が”目に見えない世界”に対し興味を持つきっかけになったのも、聖闘士星矢やファイナルファンタジ-の世界観の影響が強くあります。空想の世界に没頭することで、一時的に悩みを忘れられ、また知らず知らずの内にイメージする力のトレーニングにもなっていたように思います。

高校卒業後、少しでも早く一人立ちして生きていくために、私は看護師を目指しました。(母方の祖母が看護師だったことも影響があると思います)振り返ってみると、自己肯定感の低かった私は「看護師さん」という仮面をつけることで本当の自分自身を隠し安心したかったのだと思います。本来の自分自身に蓋をし、「あくまでも生活のため」仕事をする。この生活を長期間続けていたことで、本当に好きなこと嫌いなこと、表現するという事が分からなくなっていました。

それでも、本当の自分を隠して生きるに対し、苦しさが爆発することが度々ありました。私は自分が何者かしっかりと向き合うことをせず、楽になりたい一心でジェンダ-クリニックの門を叩き、女性ホルモン剤の服用を始め、そして30代の時に性別適合手術も受けました。(当時の私は、自分を性同一性障害の当事者と思い込んでいました。)しかし、それが私にとってはセクシャリティの根本的な問題解決に至ることはありませんでした。(当時の私は大変愚かで浅はかだったと思います。)アイデンティティどころか、自分の存在さえもよくわかならくなっていた私は、「自分は恥ずかしい存在」という観念に捉われて「生きたまま死んだ状態」を10年近く過ごしました。

そして、ある出来事がきっかけで半ば逃避行のように九州から関東に引っ越しをしました。「誰も自分の事を知らない土地に行き、やり直したい」という思いがありました。期待と不安、そして人生に対する諦めを感じながらも、新しい土地で再出発を始めました。

派遣看護師として神奈川県で1年程病院勤務した後、正職員として働くため上京しました。再び、新たな氣持ちである病院に就職したのですが、就職直後に「これは私に合っているのか?」「私は本当にこの仕事をしたいのか?」という自分に対する疑問と揺らぎが生じました。私自身、正職員として組織に属しその中で働くことに限界を感じていたように思います。

同じ時期に、前々から興味があったスピリチュアル系のセッションを受け、「このような見えない世界の仕事があるのだな。」ということを初めて知りました。個人セッションを受けたり、パワースポット巡りをするなど、所謂スピリチュアル・ジプシーのような状態を1年近く続けました。そのような体験を繰り返す中である感覚が湧いてくるのを感じました。

それは「スピリチュアルなことが大好きだということ」と「これをやりたい!」という感覚です。

自分の思いが、「現実逃避なのでは?」と疑いつつ、「私にはこれが合っているのではないか?」と感じるようになりました。これまで自分が何者なのかもわからず、何がやりたいのかもよくわからないまま流されるように生きてきた自分にとって、初めて内側から湧き出てきた衝動でした。

そんな頃、インタ-ネットで見つけた「ギフトオブスピリット」という言葉にとても興味を惹かれ、すぐに予約しました。生憎その日は「ギフトオブスピリット」を受講することは出来ず、「DNAアクティベーション」という施術を受けることになりました。これも今思えば天の采配だったと感じます。

この時、私の身にビックリすることが起こりました。DNAアクティベーションを施術された後、なぜか世界がキラキラ輝いて見えたのです。エネルギーが明らかに変化したのが体感でわかりました。五感が鋭くなったというか、特に触覚が敏感になったのを覚えています。

「エネルギーを扱うヒーリングの世界って凄い!」とても興奮してしまいました。

そこから導かれるように「アデプト・プログラム」を受け、直ぐに「ヒーラー・プログラム」も受講し、モダンミステリー・スクール公認のヒーラーになりました。

これまで長い間、自分が何者なのか?自分は何のために生きているのか?わからず不安に苛まれてきましたが、「アデプト・プログラム」を受講後ある氣づきがありました。わたしの性自認は男性なのか女性なのか?右往左往してきたけれ、どれもしっくり来なかった…。「私は男性でも女性でもないのではないか」と。

中性という呼び方でも構いませんが、「わたしは男性でも女性でもない、同時にわたしは男性でも女性でもある」それが”あるがままの自分ではないか”ということに氣づいたのです。

この氣づきを得て、私は自分自身に対する存在不安が薄くなり、自己肯定感が増してきました。同時に、人生で本当にやりたかったこと仕事も見つけることができました。「ヒーラー」という仕事は、きっと私がこの世界に生まれる前から決めてきた天職だったのだろうと、今では感じます。

昔の私と同じように、自分が何者なのかわからず不安と恐怖に怯えて過ごしている人々に、ヒーリングや形而上学を使って、あるがままの自分で楽に生きていただくために活動しています。